ホームルーターと光回線の違いは?それぞれのメリット・デメリットを徹底解説

2025/03/23 光回線

ホームルーターと光回線はどちらも自宅にインターネット環境を作り、Wi-Fiを使えるようにするためのものです。しかし、両者の違いがわからず「結局、ホームルーターと光回線のどちらを選べばよいの?」と、疑問に思うことはありませんか。

そこで本記事では、ホームルーターと光回線の違いや、両者のメリット・デメリットを徹底解説します。最後までお読みいただくと、どちらがあなたにとって最適な選択なのか分かりますので、参考にしてみてくださいね。

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ホームルーターと光回線の違い

自宅でWi-Fiを利用するには、ホームルーターと光回線の選択肢があります。

ホームルーターは各地の基地局から電波を受信し、モバイル回線を使用してインターネットに接続する仕組みです。一方、光回線は光ファイバーを利用し、高速かつ安定した通信を提供しますが、開通工事が必要です。

これらの2つはそれぞれ異なる特徴を持つため、この章で解説します。

通信速度の違い

通信速度はインターネットを利用する際の快適さを左右する重要な要素です。2025年2月7日現在、「みんなのネット回線速度」によると、過去3カ月間の平均下り速度は以下のとおりでした。

ホームルーターの下り速度:270.0Mbps
光回線の下り速度:530.7Mbps

Mbpsとは、1秒間に転送できるデータ量を表す単位で、数値が大きいほど多くのデータを送信できます。上記のデータから、光回線の方がホームルーターよりも通信速度が速いことが分かるでしょう。

下り速度はネット上からデータを受信する速度で、Webサイトの閲覧やファイルのダウンロードに影響を与えます。一般的に30Mbps程度あればWebサイトの閲覧には支障がありません。しかし、オンラインゲームやリモート会議では、より高速な通信が求められます。

さらに、光回線はホームルーターよりも通信の安定性に優れているのも特徴です。光回線は物理的な回線を使用するため、利用者の増加による混雑の影響を受けにくく、一定の速度を維持できます。

一方、ホームルーターは無線回線を利用しているため、回線の混雑や利用者の増加により夜間や週末などのピーク時に通信速度が低下するケースがあります。

速度制限の有無

ホームルーターと光回線とでは速度制限の有無に違いがあります。

ホームルーターは実質無制限とされているケースが多いですが、短時間に大容量のデータをダウンロードした場合や、回線が混雑する時間帯に速度制限がかかることがあります。

一方、光回線は基本無制限 のため、どれだけデータを使用しても速度が低下しません。大量のデータ通信を行う場合でも、安定した高速通信が維持されます。

月額料金の違い

月額料金は、ホームルーターと光回線で若干異なります。以下は主要なサービスを調査した費用相場です。

光回線(マンションタイプ):4,000~4,500円
光回線(戸建てタイプ):5,000~6,000円
ホームルーター:4,500~5,000円

この範囲に収まることが多く、光回線のマンションタイプが最も安く、次いでホームルーター、戸建てタイプの光回線の順で料金が高くなる傾向にあります。

ただし、サービスによって相場より高い場合や安い場合があるため、必ずしもこの順番通りとは限りません。独自の割引キャンペーンを実施しているケースもあり、実質的な負担額は異なることがあります。

なお、マンションタイプの光回線は、建物全体に光ファイバー設備が導入されている場合に利用可能です。設備が整っていれば、入居者は個別にプロバイダーを選んで契約できます。

一方で、建物自体に光回線が導入されていない場合は、管理会社やオーナーの許可を得たうえで、新規に回線を引き込むことが必要です。そのためマンションタイプであっても、戸建てタイプの回線を契約するケースもあります。

ネット開通までの流れの違い

ホームルーターと光回線では、ネット環境が開通するまでの流れにも違いがあります。まず、ホームルーターの開通手順は以下のとおりです。

ホームルーターの開通手順

  1. サービスへ申し込み手続きをする
  2. 端末を受け取る(1週間程度)
  3. 初期設定をする
  4. 利用開始

一方で、光回線の開通手順は以下のようになります。

光回線の開通手順

  1. 住居の回線導入状況を確認
  2. サービスへ申し込み手続きをする
  3. 工事日を決める(2週間~2カ月)
  4. 光回線の工事に立ち会う(1~2時間程度)
  5. 初期設定をする
  6. 利用開始

ホームルーターと光回線を比較すると、工事の有無が大きな違いとなります。ホームルーターは工事不要で、端末が到着すればすぐに利用できるのがメリットです。

一方、光回線は開通工事が必要で、申し込みから利用開始まで1〜2カ月かかるケースもあります。特に引っ越しシーズンのような繁忙期には申し込みが集中するため、開通がさらに遅れる可能性があります。すぐにネットを利用したい場合は、スケジュールを考慮して申し込む必要があるでしょう。

また、初期設定の手間にも違いがあります。ホームルーターはコンセントを挿すだけでWi-Fiに接続できるため、誰でも簡単に設定できます。

一方、光回線はONU(光回線終端装置)とルーターを接続する作業が必要なため、ホームルーターに比べると設定がやや複雑です。スムーズに利用開始するためには、サポート体制の整った事業者を選ぶことも重要になります。

なお光回線の工事については以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

光回線の工事ってどんな流れ?申し込み前に押さえておくべき知識と4つの注意点を詳しく解説

ホームルーターのメリット・デメリットを解説

この章では、ホームルーターのメリット・デメリットを紹介します。

ホームルーターの3つのメリット

ホームルーターを選ぶ3つのメリットは以下のとおりです。

  • 工事が必要ない
  • 簡単にネット環境を作れる
  • 引っ越し先でもすぐに使える

それぞれ詳しく解説します。

1.工事が必要ない

ホームルーターの大きなメリットは、工事不要で端末を受け取ったその日から利用できる点です。光回線の場合は開通工事が必要で、申し込みから工事まで1〜2カ月かかることもあります。

一方、ホームルーターは申し込みから到着まで最短翌日~1週間程度で完了し、携帯キャリアのショップや家電量販店に在庫があれば即日受け取ることも可能です。

このように工事不要で速やかにネット環境を構築できる点は、ホームルーターを選ぶ利点といえるでしょう。

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2.簡単にネット環境を作れる

ホームルーターはコンセントを挿すだけで、簡単にWi-Fi環境を導入できます。初期設定の方法もシンプルで、主に以下の手順のみで完了します。

  1. ルーターにSIMカードを取り付ける
  2. コンセントを挿して電源を入れる
  3. スマホやパソコンなどの端末とWi-Fiを接続する

このように初期設定の手順は非常に簡単です。

また、光コンセントと呼ばれる特殊な機器の側に置かなければならないため、光回線の機器と異なり、コンセントが届く範囲であればどこでも設置可能です。このようにホームルーターは手軽さと利便性を兼ねています。

3.引っ越し先でもすぐに使える

ホームルーターは引っ越し先でもすぐに使えるため、転勤が多い人や今後引っ越し予定がある人に適しています。

光回線の場合、引っ越しのたびに新たな回線工事が必要になり、開通まで数週間から2カ月ほどかかることもあります。その間、Wi-Fiが利用できない期間が発生し、不便に感じることがあるかもしれません。

一方、ホームルーターは工事不要のため、引っ越し先でもコンセントを挿すだけでWi-Fi環境を整えられます。回線工事のスケジュールを気にせず、引っ越したその日からWi-Fiを利用できるのは、大きなメリットです。

また契約時の登録住所での使用が基本ですが、住所変更の手続きを行えば問題なく利用を継続できます。多くのサービスでは、マイページから簡単に住所変更を申し出ることが可能です。

引っ越しの多い人にとって、すぐにWi-Fi環境を構築できるのはホームルーターならではの利点です。

ホームルーターの4つのデメリット

ホームルーターを選ぶ4つのデメリットは以下のとおりです。

  • 通信速度で光回線に劣る
  • 通信制限がかかる場合がある
  • 周辺環境の影響を受けやすい
  • 端末の購入費用がかかる

それぞれ詳しく解説します。

1.通信速度で光回線に劣る

ホームルーターは無線で電波を受信するため、有線接続の光回線と比べて通信速度が劣ります。「みんなのネット回線速度」によると、直近3カ月のホームルーター、光回線の平均通信速度は以下のとおりです。

回線下り速度 (Mbps)上り速度 (Mbps)Ping (ms)
光回線530.7441.217.8
ホームルーター194.722.544.3

データ引用元「みんなのネット回線速度

下り速度は以下のスピードに関わります。

  • YouTubeやNetflixなどの動画視聴
  • Webサイトの閲覧
  • ファイルのダウンロード
  • オンラインゲームのデータ受信など

一方、上り速度は以下のスピードに関わります。

  • YouTubeやSNSへの動画投稿
  • クラウドへのデータアップロード
  • オンライン会議
  • ライブ配信など

インターネットを快適に利用するには、下り30Mbps上り10Mbps以上が目安とされており、ホームルーターでも日常使いには十分な速度を確保できます。しかし、高画質動画のストリーミングや大容量データのやり取り、オンラインゲームの利用においては光回線の方が安定して快適に利用できます。

オンラインゲーム、オンラインミーティングをするならPing値にも注目

通信環境を選ぶ際は、Ping値にも注目する必要があります。Ping値は、データが送信元から送信先へ行き、再び戻るまでの時間を示す指標で、単位はミリ秒(ms)です。数値が小さいほど通信の応答速度が速く、快適に利用できます。

Ping値が大きいと、リアルタイムでのデータのやり取りが必要な場面で影響が出ます。たとえばオンラインミーティングでは30ms以下が望ましく、遅延が大きいと音声や映像が途切れることがあります。またFPSや格闘ゲームなどの応答速度が重要なゲームでは15ms以下が理想です。

Ping値の低さを重視するなら、光回線の方が適しています。

2.通信制限がかかる可能性がある

ホームルーターは月間データ容量に上限がない無制限プランが基本ですが、完全に無制限ではありません。一定期間に大量のデータ通信を行う場合や、回線が混雑する時間帯には速度制限がかかることがあります。

特に、ストリーミング動画の視聴や大容量ファイルのダウンロードを短時間に繰り返すと、速度制限の対象になりやすくなります。

速度が低下すると、動画の画質が落ちたり読み込み時間が長くなったりするため、快適に利用できない可能性があるでしょう。ただしこの制限は一時的なものであり、一定時間が経過すれば通常の速度に戻ります。

とはいえ長時間安定した通信が必要な場合や、大容量データのやり取りが頻繁に発生する場合には、光回線の方が適しているでしょう。

3.周辺環境の影響を受けやすい

ホームルーターは無線で電波を受信するため、設置環境によって通信速度や安定性が大きく左右されます。電波を遮るものがあると、通信が遅くなったり接続が不安定になったりする場合があります。

特に家庭にあるもので電波を遮りやすいものとして、以下のものが挙げられます。

  • 壁や厚い家具(コンクリート壁・本棚など)
  • 同じ周波数帯の家電製品(電子レンジ・IHヒーターなど)
  • 水分を含むものの近く(水槽・加湿器など)

これらがホームルーターの近くにあると、通信速度が低下する可能性があります。よって設置場所の工夫が求められるでしょう。

また周辺環境だけでなく、天候や利用する時間帯によっても通信状態が変わることがあります。特に、夜間や休日など利用者が増える時間帯は、回線の混雑によって通信速度が低下する場合もあります。安定した通信を求める場合は、光回線の方が適しています。

4.端末の購入費用がかかる

ホームルーターを利用する際は、月額利用料とは別にルーターの購入費用が発生します。端末の価格は20,000〜50,000円台と幅があり、選ぶ機種や事業者によって異なります。

一部の事業者では、「本体代金は実質無料」として月額料金を割引するキャンペーンを提供している場合があります。ただし、この特典を受けるには、一定期間(2年・3年など)の継続利用が条件となるケースが一般的です。

契約期間内に解約した場合、端末代金の残額を請求される可能性があり、無料にはなりません。そのため、契約前に利用期間の見込みを確認し、自分に合ったプランを選ぶことが大切です。

光回線のメリット・デメリット

次に光回線のメリット・デメリットを紹介します。

光回線の3つのメリット

光回線を利用する3つのメリットは以下の通りです。

  • 通信が安定していて速度が速い
  • 複数のデバイスをストレスなく使える
  • データの送受信が多いオンラインゲームでも快適に楽しめる

それぞれについて解説します。

1.通信が安定していて速度が速い

光回線は光ファイバーケーブルを利用する固定回線のため、通信の安定性と速度の速さが特徴です。ホームルーターのような無線接続とは異なり、有線接続でデータをやり取りするため、通信品質が安定しやすく、高速なインターネット環境を実現できます。

また電波干渉からの影響を受けないため、通信速度が変動しにくい点もメリットです。Wi-Fi接続でも、安定した通信が期待でき、大容量のデータ通信をスムーズに行えます。

オンライン会議では通信の遅延や途切れが発生しなくなり、ライブ配信やオンラインゲームなど、通信速度と安定性が求められる場面でも快適に利用できます。

2.複数のデバイスをストレスなく使える

光回線は、大容量のデータ通信を安定して行えるため、複数のデバイスを快適に利用しやすいのが強みです。家族でWi-Fiをシェアしたり、スマート家電を接続したりする場合にも通信が混雑しにくく、スムーズにインターネットを利用できます。

オンライン会議や動画視聴、ゲームなど、家族がそれぞれネットを頻繁に利用するような家庭でも快適でしょう。

3.データの送受信が多いオンラインゲームを快適に楽しめる

データの送受信が多いオンラインゲームを快適にプレイするためには、通信速度だけでなくPing値が重要な指標といえます。Ping値が低いほど通信の遅延が少なくなり、スムーズなプレイが可能になるためです。

光回線はPing値が低いため、ラグが発生しにくく、安定したプレイ環境を提供します。ターン制のゲームやソロプレイが中心のゲームであれば、ping値の高いネット環境でもストレスは感じにくいでしょう。

しかし、FPSや格闘ゲームなど対戦型ゲームでは、わずかな遅延が勝敗を左右するため、できるだけ低いPing値が求められます。光回線なら、ゲームのリアルタイム性を損なうことなく、快適にプレイできます。

光回線の3つのデメリット

光回線を利用する3つのデメリットは以下のとおりです。

  • 開通工事が必要で、すぐに使えない
  • 初期費用が高くなることがある
  • 一部のエリアや建物では契約できない

それぞれについて解説します。

1.開通工事が必要で、すぐに使えない

光回線を利用するには、自宅に回線を引き込む工事が必要なため、申し込んでも即日の利用はできません。開通までの期間は通常2〜3週間程度ですが、繁忙期には1〜2カ月後に工事が行われる場合もあります。

特に、新生活シーズンや引っ越しが集中する時期は、工事予約が埋まりやすいのが実態です。そのため、ネット環境が必要なタイミングを考慮して、早めに申し込むことが重要になります。

ただし一部の光回線業者では、オプション料金を支払うことで、当日工事を優先的に受けられるケースもあります。

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2.初期費用が高くなることがある

光回線の契約には開通工事費用がかかるため、初期費用が高額になることがあります。新規開通時の工事費は20,000〜50,000円が相場で、導入環境によって変動します。

一方、マンションやアパートなどですでに光回線の設備が導入されている場合、工事費用が抑えられることも。たとえば無派遣工事(業者が訪問せず遠隔で設定する工事)の場合、3,000円程度で済むこともあります。

また、多くの回線業者が工事費を実質無料にするキャンペーンを実施しています。特定の期間に契約すると、分割払いの工事費が月額料金から割引され、最終的に無料になる場合もあります。契約前にキャンペーン内容を確認し、初期費用を抑える工夫が必要です。

3.一部のエリアや建物では契約できない

光回線は事業者ごとに提供エリアが異なるため、契約できない地域が存在します。

最も提供エリアが広いのは「フレッツ光」ですが、それでもすべての地域で利用できるわけではありません。対応エリア外の場合、地域の電力会社が提供する光回線や独自回線を調べる必要があります。

総務省 のデータによると、日本国内の光ファイバー整備率は99.84%(令和5年3月時点)であり、約10万世帯が未整備のエリアに該当します。このような地域では物理的に回線を引くのが難しく、光回線の導入ができない場合があります。

また提供エリア内であっても建物の構造や管理者の許可が得られない場合、工事が行えません。ほかにも、電柱が近くになかったり国道や河川をまたぐ位置に建物があったりとさまざまな理由で、物理的に回線を引き込めないこともあります。

ホームルーターと光回線、あなたに向いているのはどちら?

ホームルーターと光回線のメリット・デメリットを踏まえ、それぞれの方法がどのような人に適しているかを整理しました。

ホームルーターが向いている人光回線が向いている人
  • すぐにWi-Fiを使いたい人
  • 開通工事の大家や管理会社から、工事の許可を取れない人
  • 動画視聴やリモートワークで使いたい人
  • 複雑な設定なしで手軽にネット環境を作りたい人
  • 引っ越しが多く、ネット開設に毎回手間をかけたくない人
  • 一人暮らしの人
  • とにかく快適な環境でネットを使いたい人
  • リモートワークを主体として働く人
  • 動画視聴やオンラインゲームをストレスなく楽しみたい人
  • 家族でネットを楽しみたい人

ホームルーターと光回線の選択に迷う場合には、上記の表を参考にしてみてくださいね。

自分の状況に合う方法でネットを開設しましょう

ご自宅にインターネット環境を作るための方法はいくつかあります。その中で代表的な方法が「ホームルーター」と「光回線」です。2種類の方法の違いを比較表にまとめましたのでご覧ください。

ホームルーター光回線
通信速度・安定性△(光回線に比べ速・安定性は劣る)◎(有線接続で安定・速度も速い)
開通にかかる時間◎(最短翌日~1週間で利用可)△(開通工事が必要で2週間以上かかることが多い)
工事の有無◎(工事不要)△(開通工事が必要)
引っ越しのしやすさ◎(引っ越し先ですぐ使える)△(工事の手続きが必要)
オンラインゲーム△(ラグが発生する可能性あり)◎(低Ping値で快適)
家族利用△(複数接続時に速度低下の可能性あり)◎(大人数でも安定)
データ無制限△(条件付きで速度制限あり)◎(完全無制限)

総じて、手軽にネット環境を作りたいなら「ホームルーター」、安定した通信を求めるなら「光回線」がおすすめです。あなたの状況に合わせて、適切な方法でネット環境を作りましょう。

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