光回線の速度が遅いのはなぜ?ネットを快適にする8種類の対処法を解説

2025/05/14 光回線

「動画が止まる」「オンライン会議で音声が途切れる」「ゲームのラグがひどい」——インターネットの速度が遅いと、日常のあらゆる場面でストレスを感じることがあります。しかし、通信速度が遅くなる原因はさまざまあるため、なかなか適切な対処を取りづらいのも事実です。

本記事では、光回線の速度が遅くなる原因を詳しく解説するとともに、今すぐ試せる8つの改善方法を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。快適なインターネット環境を手に入れましょう!

まずは自宅の光回線の速度がどの程度なのかを知る

光回線の速度が遅いと感じたら、まずは現在の通信速度を確認しましょう。適切な対策を講じるためには、現状の速度を数値で把握することが先決です。

インターネット上には無料で利用できる速度測定ツールが多数あり、簡単に通信速度を測定できます。Googleで『スピードテスト』と検索すれば、ワンクリックで計測できるサイトが表示されます。

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回線速度には「上り」と「下り」がある

通信速度の指標は一つではありません。「下り速度」「上り速度」があり、それぞれ用途が異なります。

下り速度は、データを受け取る速さを示し、Webサイトの閲覧や動画視聴などに影響する指標です。一方、上り速度はデータをWeb上に送信する速さで、オンライン会議やライブ配信の安定性に関わります。 

いずれも「Mbps」という単位で表され、数値が大きいほど通信が速くなります。用途別の推奨速度の目安を以下の表にまとめているため、ご確認ください。

用途 推奨速度

Web閲覧・メール

1~10Mbps(下り)

動画視聴

5~25Mbps(下り)

YouTube(4K動画)

25Mbps以上(下り)

Zoom(ビデオ会議)

3~5Mbps(下り/上り)

オンラインゲーム

50Mbps以上(下り/上り)

ライブ配信

6~50Mbps(上り)

大容量ファイルのクラウド保存

50Mbps以上(上り)

スピードテストを実施し、現在の回線速度が用途別の推奨基準を満たしているかを確認しましょう。

オンラインゲームやオンラインミーティングをするならPing値にも注目

通信環境を選ぶ際は、回線速度だけでなく「Ping値」も重要な指標です。

Ping値とは、データが送信元から送信先へ到達し、再び戻るまでの時間を示し、単位はミリ秒(ms)です。数値が小さいほど通信の応答速度が速く、リアルタイムの通信がスムーズになります。

Ping値の影響が特に大きいのは、オンラインゲームやオンラインミーティングの利用時です。オンラインミーティングでは30ms以下が望ましく、数値が大きいと音声や映像が途切れやすくなります。FPSや格闘ゲームなど、即時の反応が求められるゲームでは15ms以下が理想です。

これらの用途にネットを使う場合は快適な通信環境を確保するために、スピードテストでPing値を確認しましょう。

光回線の速度が遅くなる原因7選

ここでは、インターネットの速度が遅くなる原因を7種類紹介します。

1.使用デバイスが古い

スマホやパソコンなど使用しているデバイスが古いと、光回線の通信速度が十分でもネットの動作が遅くなる場合があります。古い端末には処理速度の遅いCPUが搭載されているケースが多く、動作が重くなりやすいものです。

またOSが最新の状態に更新されていないと、セキュリティや通信処理の最適化が行われず、動作が遅くなることがあります。OSのアップデートで改善するケースもありますが、端末自体が古すぎると最新のOSに対応できず、アップデートが不可能な場合もあります。

2.周辺機器が古い

端末だけでなく、Wi-FiルーターLANケーブルなどの周辺機器が古い場合も、通信速度の低下につながる原因になります。

Wi-Fiルーターの寿命は意外と短く、一般的に5年程度とされています。古いルーターでは最新の通信技術に対応していないことが多く、光回線の性能を十分に発揮できません。

契約している光回線の速度が300Mbpsであっても、ルーターが100Mbpsまでしか対応していなければ、通信速度はその上限に制限されてしまいます。

また有線接続を利用している場合、LANケーブルの規格も重要です。「CAT6」「CAT7」と印字された新しいタイプのLANケーブルなら問題ありませんが「CAT5」では通信速度が制限される可能性があります。

加えてケーブルが破損していると通信が不安定になるため、通信速度が遅いと感じたら、周辺機器の状態を確認し、必要に応じて交換を検討しましょう。

3.配線がLAN方式・VDSL方式

マンションやアパートなどの集合住宅では、建物の配線方式によって通信速度が制限されることがあります。現在は光回線方式が主流ですが、LAN方式VDSL方式が採用されている場合、最大通信速度が低くなるため注意が必要です。

配線方式の違いと影響は以下のとおりです。

配線方式特徴最大通信速度
光回線方式各部屋まで光ファイバーが直結1Gbps以上
LAN方式建物の共用部分から各部屋にLANケーブルで分配100Mbps〜1Gbps
VDSL方式電話回線(モジュラージャック)を利用最大100Mbps

VDSL方式は、電話回線を使うため、特に通信速度が遅くなりやすい配線方式です。また、LAN方式も古い設備では速度が制限されることがあります。ご自宅がどの配線方式かは、コンセントを確認すると分かるため、以下の見分け方を押さえましょう。

  • 光回線方式:光と書かれた「光コンセント」が設置されている
  • LAN方式:「LAN」と書かれたLANコンセントがある
  • VDSL方式:電話線用の「モジュラージャック」がある

速度が遅い場合は、配線方式を確認し、可能なら光回線方式に切り替えるのが最適です。建物の管理会社やインターネット契約先に相談し、変更が可能か確認するとよいでしょう。

4.Wi-Fiルーターの置き場所に問題がある

Wi-Fiルーターの設置場所が適切でないと、通信速度が低下しやすくなります。以下のような環境では、電波が遮られたり干渉を受けたりするため、設置場所を見直す必要があります。

設置場所 通信速度低下の理由
壁や家具に囲まれた場所 遮蔽物によって電波の拡散が妨げられる
電子レンジや冷蔵庫の近く 家電が発する電磁波がWi-Fiの電波と干渉する
水槽や花瓶の近く 水分に電波が吸収される

5.Wi-Fiルーターに接続するデバイス数が多すぎる

Wi-Fiルーターに接続する端末が多いと、通信速度が低下する原因になります。ルーターは同時に処理できるデータ量が決まっており、接続台数が増えるほど負荷がかかります。

最近では、パソコンやスマートフォンだけでなく、ゲーム機やスマート家電などWi-Fiに接続する機器が多いもの。これらのデバイスで同時に通信を行うと、ルーターの処理能力を超えてしまい、速度が低下してしまいます。

6.回線が混雑している

光回線は、夜間や週末などの利用者が多い時間帯に、回線の混雑により通信速度が低下しやすくなります。特に夜間の20〜22時は、多くの人がインターネットを利用するため、影響を受けやすい時間帯です。

また、使用している接続方式の種類によっても混雑の影響を受けやすくなる可能性があります。NTTのフレッツ光や一部のプロバイダーでは「PPPoE(Ipv4)」という認証方式を採用している場合があり、この方式は利用者が多くなると、速度が遅くなりやすい傾向にあります。

一方で、「IPoE(IPv6)」方式なら、認証サーバーを経由せず直接通信できるため、混雑の影響を受けにくくなります。自分の回線がPPPoEかIPoEかはプロバイダーの契約書や診断サイトで簡単に確認できます。

7.回線障害が起きている

これまで正常に利用できていたのに、突然すべての端末でインターネットが遅くなった場合は、プロバイダー側での回線障害の可能性があります。特に大規模な自然災害が発生した後は、ネットワーク設備が破損し、通信に影響が出る可能性が高いものです。

プロバイダーの設備トラブルによる回線障害は、公式サイトやSNSでアナウンスされることが多いため、まずは情報を確認するとよいでしょう。

光回線の通信速度が遅くなる場合の対処法8選

ここではインターネットの通信速度が遅くなってしまう原因を踏まえ、対処法を8種類紹介します。

1.Wi-FiルーターやONUなどの配線を抜き差しする

Wi-FiルーターやONUの配線の接続が緩んでいると、通信が不安定になり、速度が低下する原因になります。一度Wi-FiルーターやONUの電源を切り、LANケーブルをすべて抜き差しすることで改善する可能性があります。

配線の抜き差しは物理的な接触不良の解消だけでなく、機器内部の軽微なエラーをリセットする効果もあるのです。

2.Wi-Fiルーターの周波数帯を変えてみる

多くの場合、Wi-Fiルーターは2.4GHz5.0GHzの2種類の周波数帯を備えており、それぞれ異なる特性を持っています。Wi-FiのSSIDが「◯◯◯◯◯-g」なら2.4GHz、「◯◯◯◯◯-a」なら5.0GHzです。

周波数帯別の特徴を以下にまとめます。
周波数帯 障害物への強さ 電波干渉 通信速度 電波の届く距離
2.4GHz 強い 受けやすい 遅め 遠くまで届く
5.0GHz 弱い 受けにくい 速い 届く範囲が狭い

2.4GHzは壁や家具などの障害物に強く、広い範囲で電波を届けるのに適しています。ただし電子レンジやBluetooth機器などと干渉しやすく、通信速度が低下することがあります。

一方、5.0GHzは壁などの障害物に弱く、遠くまで電波が届きにくい特徴がありますが、電波干渉が少なく高速通信に向いています。インターネットの速度が遅いと悩む場合には、2.4Ghz帯を使用していないか確認し、必要に応じて5.0GHz帯に変更するとよいでしょう。

3.Wi-Fiルーターを再起動する

Wi-Fiルーターを再起動すると、空いているチャンネルが自動選択され、通信環境が改善される可能性があります。

2.4GHz帯では14個、5GHz帯では19個のチャンネルが用意されていますが、同じチャンネルを利用するデバイスが増えると、通信速度が落ちる原因になるからです。

再起動の手順は電源を切って1〜2分待ち、再度電源を入れるだけです。定期的に実施すると、通信速度の低下を防ぎ、安定した接続を維持しやすくなります。

4.デバイスの接続数を減らす

Wi-Fiルーターに接続するデバイスを減らすことで、通信速度が改善する場合があります。接続できるデバイスの数に上限があり、過剰な接続は通信速度の低下を引き起こすためです。

特に動画視聴、オンラインゲーム、クラウドサービスの利用など、高い通信量を消費する端末が多い場合、ネットワーク全体の負荷が増し、遅延が発生しやすくなります。

Wi-Fiルーターの品番で接続デバイスの上限は検索できます。一方、Wi-Fiルーターのメーカーは提供する管理アプリで現在の接続台数を確認できます。一般的には最大接続数の80%程度に抑えると、通信が安定しやすくなります。

使用していない端末のWi-Fi接続をオフにして、ルーターの負荷を軽減しましょう。

5.利用する時間帯を調整する

通信速度が遅くなる原因の一つに、回線が混雑しやすい時間にネットを使用している点が挙げられます。特に夜間の20時〜22時頃は、多くの人がインターネットを利用するため、回線が混雑しやすくなります。

可能であれば、ネットの利用時間をピーク帯からずらすことで、快適な通信環境を確保できる可能性があります。特に、大容量のデータをダウンロードする際は、深夜や早朝の時間帯が空いている時間帯を選ぶとスムーズに通信できるでしょう。

6.Wi-Fiルーターの位置を変えてみる

電波が遮られたり干渉されたりしない位置にWi-Fiルーターを設置することによって、通信速度が大きく変わることがあります。

適切な設置場所としては、部屋の中央や床から1〜2メートルの高さが推奨されます。また、水槽や花瓶、浴室の近くなど、水を多く含む場所は電波を吸収しやすいため避けるのが望ましいでしょう。

電波干渉を防ぐため、他の電子機器からもできるだけ距離を取ることも大切です。ルーターの設置場所を工夫するだけでも、通信環境が改善されることがあるため試してみましょう。

Wi-Fiルーターの設置位置については以下の記事でも詳しく解説しています。

(Wi-Fiルーター 設置位置)

7.有線で繋いでみる

Wi-Fi接続は便利ですが、無線通信の特性上電波干渉や距離の影響を受けやすく、通信速度が低下することがあります。有線接続に切り替えると、電波干渉の影響を受けることなく、安定した通信環境を確保できます。

特に、オンラインゲームや大容量のデータをダウンロード・アップロードする場合は、有線LANの方が快適に利用できます。配線が目立つのが気になる場合は、必要なときだけ、有線接続に切り替えるのも一つの方法です。

8.デバイスや周辺機器を買い替える

古いデバイスや周辺機器が通信速度の低下を引き起こしている場合、新しい機器に買い替えることで改善が期待できます。

またLANケーブルやWi-Fiルーターも重要な要素です。さらに、LANケーブルの規格も見直しましょう。CAT5のケーブルは最大100Mbpsの通信速度しか対応していないため、CAT6以上のものを選ぶとより安定した高速通信が可能になります。

また古いルーターは通信規格がWi-Fi5以前のものが多く、高速通信に対応していないケースがあります。Wi-Fi6対応のルーターに変更することで、通信速度の向上が期待できます。

Wi-Fi6に切り替えるメリットについては以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてお読みください。

(Wi-Fi6の記事)

速度の遅さが解決しない場合は、プロバイダーの見直しが必要かも

ここまでの対処法を試しても、速度の遅さが解消されない場合には、プロバイダーの見直しを検討した方が良いかもしれません。この方法を検討すべき人の特徴は以下のとおりです。

  • 夜間や週末にネットが極端に遅くなる
  • ここまで紹介した方法を試しても速度が改善しない
  • 現在のプロバイダーが「IPv4 PPPoE方式」を使っている

PPPoE方式は認証サーバーを経由して接続するため、利用者が増える時間帯に混雑しやすく、速度低下が起こりやすいのが特徴です。

この問題を解決するには、「IPv6 IPoE方式」に対応したプロバイダーを選ぶのが有効です。
IPoE方式は認証サーバーを経由せず直接通信できるため、混雑の影響を受けにくく、安定した接続が可能になります。

プロバイダー変更の手順

現在のインターネット環境で「IPv4 PPPoE方式」を利用している場合、回線が混雑しやすく、特に夜間の速度低下の原因になりやすい傾向があります。この「IPv4 PPPoE方式」を採用しているケースの多くは、NTTのフレッツ光を利用しているプロバイダーです。

フレッツ光を利用している場合、プロバイダーの変更は比較的簡単です。現在のプロバイダーを解約し、「IPv6 IPoE対応」のプロバイダーと契約するだけで、通信環境が改善される可能性があります。

また、プロバイダー変更と同時に、光コラボ回線への転用を検討するのも一つの方法です。
光コラボへ転用することで、回線とプロバイダーを一本化し、契約手続きや管理をシンプルにできるというメリットがあります。

光コラボとは?

光コラボとは、NTTのフレッツ光回線を利用しつつ、プロバイダーと一体化したインターネットサービスです。フレッツ光と同じ回線を使うため、新規工事が不要で契約を一本化できます

特に、現在フレッツ光を使っている場合、光コラボへ転用すると手続きが簡単で、オーナーや管理会社の許可を得やすくスムーズに移行できます。ただし、マンションでVDSL方式やLAN方式を利用している場合、光配線方式に変更する際には工事が必要になることがあるため、事前に確認しておきましょう。

おすすめの光コラボ回線

光コラボ回線は多数ありますが、「IPv6 IPoE対応」のプロバイダーを選ぶことで、通信の安定性が向上します。以下は代表的な光コラボ回線の一例です。

サービス名月額料金
(戸建て)
月額料金
(マンション)
特徴
イツキ光5,720円4,620円IPoE対応で混雑しにくく、最短当日開通オプションあり
ドコモ光5,720円4,400円ドコモユーザー向けのセット割が充実
ソフトバンク光5,720円4,180円ソフトバンク・ワイモバイルのスマホ割が適用可能

スマホとのセット割を重視する場合はドコモ光・ソフトバンク光などの選択肢があります。

また光コラボの中でも、イツキ光は「最短当日開通オプション」と、契約期間ずっと440円値引きになる「ずっ得キャンペーン」が強み。すぐにネット環境を整えたい場合に適しています。

自分の利用環境や優先事項に合わせて、最適な光コラボ回線を選びましょう。

(イツキ光のサービスを見る)

自身に適した対処法を試して、快適なネット環境を築こう

インターネットが遅くなる原因としては、デバイスやルーターの老朽化、配線方式、Wi-Fiの設置場所、回線混雑、プロバイダーの接続方式などさまざまな要因が考えられます。

本記事で紹介した対処法を試すことで、多くの場合は速度の改善が期待できます。それでも解決しない場合は、「IPv6 IPoE対応」のプロバイダーへ変更したり、光コラボ回線に転用することで、より安定した通信環境を整えることが可能です。

自分の利用環境に合わせて最適な改善策を選び、快適なネット環境を手に入れましょう!